品質向上

非破壊分析ソリューション

製造現場の課題解決に役立つヒントやポイントを、当社の過去の経験・知見や事例を交えてご紹介します。


工業生産物を破壊せずに検査する非破壊分析は、高品質で安全性の高い製品づくりの実現のため、食品加工、薬品、機械製造メーカー、電池製造メーカー、大学・研究機関様等の多くの業界分野で幅広く活用されています。

非破壊分析は、主にX線CT検査、超音波探傷検査、浸透探傷検査技術等を用いた各種装置によって、工業生産物の内部や表面の欠陥、また品質の評価等を行っています。

今回は、工業生産物を破壊せずに内部や表面の欠陥を検査する「非破壊分析」を可能とした「産業用X線CT装置」について、当社の過去の知見に基づき、ご紹介いたします。

なお、このソリューションに関する当社の製品・サービスは、文末の「JOHNANソリューション」欄に掲載しております。>詳しくはこちら



産業用X線CT装置とは

産業用X線CT装置は、産業分野で使用されるX線コンピュータ断層撮影装置で、検査対象に全方向からX線を照射させた透視画像を再構成演算により3次元画像に生成します。全方向の位置情報を得ることができるので、サンプルを破壊することなく未知の物体の内部を正確に可視化、観察することができます。

産業用X線CT装置の有効性

産業用X線CT装置は、以下のような有効性があります。その内容をご紹介します。

(1)工業生産物の内部を破壊することなく測定する

産業用X線CT装置は、非破壊検査でかつマイクロフォーカスの分解能があるため、表面から見えない工業生産物(部品・装置・機器等)のボイド、クラック、異物の検査を迅速に、内部を破壊することなく測定することが可能です。骨の組織の状態、樹脂のフィラーの状態等を観察することも可能です。産業用X線CT装置は、今後さらに幅広い分野における活用が期待されています。

多層基板の全層画像事例
骨①

(2)工業生産物における不具合リスクを推測する

産業用X線CT装置を活用することで、工業生産物が不具合を起こすリスクを予め把握し、信頼性寿命やどのような不良モードで故障していくのかを観察することができます。工業生産物の寿命や不具合が分かれば、製品設計や材料選定等にフィードバックをかけ、製品の安全性や性能の向上を図ることが可能です。

(3)不良品の市場流出を防ぐ

工業生産物の量産ラインにおいては、品質規格に応じたインライン・オフラインのスクリーニングが可能となり、不良品の市場流出を防ぐことが可能となります。ものづくりの信頼性を高める上で、産業用X線CT装置は重要な役割を担っています。

産業用X線CT装置を購入する際の注意点

産業用X線CT装置を購入する際の選定方法について、いくつか注意事項をご紹介します。

(1)材料、関心領域、ワークサイズの明確化

産業用X線CT装置で撮影したい対象物が、どのような材料で、関心領域のサイズやワークがどのくらいの範囲なのかを明確することが重要です。これらの情報によって、X線管の出力パワー、X線検出器のサイズ・解像度、機構システム、ソフトウェアシステム、筐体サイズ等を選定していきます。

(2)材料とその密度の明確化

観察したい材料とその密度によって、X線の吸収率が異なり、このコントラストで画像を形成していきます。重金属は吸収し通さず、水や樹脂になるほど透過して、X線は通過していきます。主材料によって、採用されるX線管の出力仕様が変化し、大出力(例300KV)であればX線管は高価に、かつシールドする筐体は大きくなり、また低出力(90KV)であれば比較的安価にシールドする筐体は小さくなっていきます。あらかじめ準備をしっかりしておきましょう。

(3)試料サイズの明確化

観察したい試料のサイズによって検出器タイプも大小サイズが異なります。最大と最小の価格比は最大9倍程度になります。観察したい試料の材料とサイズを明確にして、設備仕様を確定していくことがリーズナブルな選定方法と考えられます。

実際には、撮影したい対象物の材料が異なる複合材料であることが多く、観察したい関心領域や不良モードも異なることが多いため、事前に、産業用X線CT装置メーカーに撮像テスト等を依頼し、より良い製品仕様になるように調整しましょう。

また量産ラインの場合は、検査タクトタイム・サイクルタイムも重要な関心事項となります。生産技術的な観点も考慮した最適な製品仕様になるように、産業用X線CT装置メーカーに相談しておきましょう。

撮影サンプル
透視画像

X線検査の代行サービスの活用について

上記において、産業用X線CT装置について説明してきましたが、実際に装置の購入となると、設備投資の予算化が難しく、また撮像頻度が少ないため、購入までは至らないなど、お客様によってさまざまな事情があると思われます。

そのような場合に備えて、産業用X線CT装置メーカー等が有償で行っているX線検査受託サービスがあります。

装置メーカーにおける熟練スタッフが、製品の内部状態の観察・検査・計測、ボイドや空隙、異物の位置関係の確認、検体の割れ、欠陥等の嵌合状態(はめ合い)のチェック、寸法計測、故障解析等を、最適な方向から最高の分解能で撮影してくれます。社内リソースの不足を補う上でも有益なサービスです。その他、装置のレンタルサービスも行っているメーカーもあります。

X線検査受託サービスを行っている装置メーカー名や、価格帯については、各種装置メーカーのウェブサイトをご確認ください。

※コムスキャンテクノ株式会社のX線検査受託サービスを掲載(詳しくはこちら



JOHNANソリューション

JOHNANグループであるコムスキャンテクノ㈱は、「検査・分析機器の提供を通じて品質・安全性確保の実現に貢献する」ことをモットーに、約20年に渡り、多くの方々にお使い頂けるよう、低価格かつ高性能のX線CT装置をご提供しております。産業用X線CT装置の各種製品の設計・製作のほか、X線検査受託サービスを行っています。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

コムスキャンテクノの詳細はこちら

各種製品の紹介

お客様のご要望に合わせて、産業用X線CT装置の設計・製作を行います。材料が複合である場合は、あらかじめ撮像テストを行い、試料と撮像状況に沿って、装置のX線管とX線検出器の組み合わせを決定していきます。また、量産ラインの場合は生産技術的な要素についても当社から行います。その他、開発要素の高い受託設計・製造も行います。お気軽にお問い合わせください。

スタンダード製品
イージーオーダーメイド製品
フルカスタマイズ製品
動物の大腿骨(2次元/3次元画像)

動画はこちら

動物の大腿骨(3次元画像)

動画はこちら

リチウムイオンバッテリ(3次元画像)

動画はこちら

X線検査受託サービス

各種製品における最適な撮影条件を選定し、撮影いたします。また装置のレンタルサービスも提供しています。非破壊検査の費用は抑えたいという方はお気軽にお問い合わせください。

製品は、操作が簡単で、また初回ご利用時にはオペレーターによるディレクションも行います。製品の測定、観察方法についてはお気軽にお問い合わせください。

【特長】

  • 多種多様なサンプルを最適な条件で撮影。難易度の高いサンプル撮影も対応
  • 極小サンプルから大きいサイズまで、ご要望に合わせて柔軟に対応
  • 高電圧でのX線CT検査受託サービスも提供

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