ROV

水中考古学におけるROV(水中ドローン)ソリューション

現場の課題解決に役立つヒントやポイントを、当社の過去の経験・知見や事例を交えてご紹介します。


水中考古学は、ROV(水中ドローン)の活用により進化しています。ROVは潜水士の安全を確保し、深海や長時間の調査を可能にします。これにより、これまで困難だった水中遺跡の調査や、新たな発見が期待されます。また、ROVは水中遺跡の撮影、測位、3Dモデル作成などに利用され、リアルタイム映像配信も可能です。これにより、遺跡の精密な分析と記録保存を可能にし、調査範囲の拡大、安全性向上、効率化に貢献しています。ROVは水中考古学の進化を加速させる重要な技術です。

「ROVソリューション」は、ROVや水中ドローンに興味を持つ皆様に役立つ情報をお届けいたします。質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。


なお、このソリューションに関する当社の製品・サービスは、文末の「JOHNANソリューション」欄に掲載しております。>詳しくはこちら






1. 人類の歴史を解き明かす水中遺跡調査におけるROV活用への期待

1.1水中考古学におけるROV活用
水中考古学は、湖底や海底に眠る遺跡や沈没船を探求し、過去の文明や歴史に光を当てる重要な研究分野です。近年、ROVやAUVの技術進歩により、潜水士の負担を軽減した沈没船や遺跡の調査や、潜水士が直接到達することが困難だった深海の調査ができるようになりました。本ページでは水中考古学におけるROVの活用事例を紹介します。


1.2 水中遺跡調査の作業工程
文化庁文化財第二課発行の『水中遺跡ハンドブック』によれば、水中遺跡調査の作業工程は「基礎情報収集」、「所在調査」、「探査等」、「発掘調査」の順番で進められます。このうち、ROVは、「所在調査」におけるROVでの撮影等、「探査等」における撮影等で利用されると明記されています。


参考:『水中遺跡ハンドブック』(文化庁文化財第二課発行、2024年3月13日閲覧)


● USBL音響測位装置を用いたカメラ撮影
一般的に調査船にサイドスキャンソナーやマルチビームソナーを搭載し、海底地形や遺跡を特定します。しかし、ソナーでは音響画像しか見られないため、ROVのカメラを活用して写真や動画で記録します。ROVにはGPSと連動したUSBL音響測位装置を搭載することができるため、緯度経度を合わせてROVの映像を撮影することができます。なお、ROVにもサイドスキャンソナーやマルチビームソナーを搭載することができ、業務の効率性から判断されます。


● リアルタイム映像配信
インターネット通信が可能なROVの場合は、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsを活用して、リアルタイムに水中遺跡の映像を配信することができます。水中遺跡に行けない方々が陸上で見ることができます。

● フォトグラメトリの実施
ROVを用いたフォトグラメトリの研究が九州大学を中心に始まっています。ROVに複数のカメラを搭載し、撮影した画像を組み合わせて3Dモデルを作ります。今後、3Dモデルで寸法測定を行ったり、バーチャル空間に3Dモデルを登場させたり、3Dプリンターによる書き出しが期待されています。



2.ROVによる作業事例


2.1 カメラ映像撮影
(1)水中にROVを投下してカメラ映像を撮影することができます。
(2)ROVの機種によりますが、水深や深度などをリアルタイムで表示することができます。

ROV(水中ドローン)で琵琶湖の湖底遺跡調査に行ってみた(多景島) Vol.1



2.2 USBL方式音響測位装置によるROVと船の位置把握
(1)USBL方式音響測位装置は、上記事例でもご紹介した通り、海中のROVの位置を把握するための方法の1つです。


(2)ROVに搭載したトランスポンダー(送信機)から音波を発射し、船や基地局に設置したレシーバー(受信機)で音波を受信します。その音波の到達時間や角度からROVの位置を計算します。GPSと連動させることで緯度経度でROVの位置を表示させることが可能です。


(3)なお、注意点としてUSBL方式音響測位装置は各社製品によって精度が変わります。また、近くに構造物があった場合は音波が反射して音響干渉を起こし、正確な位置を表示できない場合があります。

USBL(音響測位装置)による船とROVのリアルタイム位置測位




3.JOHNANソリューション


当社のMOGOOLシリーズは外部給電により、高い推進力を発揮することが特長です。最大深度150mから1,000mまでのモデルを有しているため、様々な水域・海域で調査することができます。当社はものづくりの会社として専用治具の開発も承っております。ROVを実証試験にご利用いただくことも可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

(事例)テレビ撮影協力
2025年1月10日放送

所でナンじゃこりゃ!?★デタ!!琵琶湖から平安の土器&10年に一度の絶景」(テレビ東京)

3.1 当社の利用機種

① MOGOOL M6

M6_set.png

サイズ(mm):H485×W380×D290
重量(Kg):15
ケーブル長(m):100,150,200
最大深度(m):150
最大速度(静止水中,Kn):3.0
水中可搬重量(Kg):2.0

● MOGOOL M6は、軽くて取り回しが楽なエントリーモデルとなります。前進推進力15kgfにも関わらず、重さ15㎏と持ち運びが便利なモデルとなります。湖沼や内海などの流れの少ない水域で利用することができます。

● 給電式で100V電源対応のため、家庭用コンセントか発電機をご用意いただき、 電力が流れている間、ご利用することが可能です。

●オプションは、スケーラーやソナー、水質センサー等、海洋環境を測定するためのツールが揃っています。


② MOGOOL-PRO P3000-A

サイズ(mm):H697×W484×D475
重量(Kg):36.0
ケーブル長(m):200.300
最大深度(m):300
最大速度(静止水中,Kn):2.5
水中可搬重量(Kg):5.5

● P3000-Aは、高い推進力かつコスパが良いオススメのモデルです。パワフルな機体のため、ダム、湖沼、港湾、内海はもちろんのこと、外海でもご利用いただくことが可能です。

● 給電式の200V電源に対応しているため、水中可搬重量が5.5kgあるため、様々なマニピュレータやソナーを搭載することが可能です。


③上記機種や他の機種につきましては、下記の製品紹介をご覧ください。

製品紹介

3.2 アフターサービスについて
メンテナンスや修理は京都の本社で実施しておりますので、安心してご利用いただけます。
ご不明な点やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

アフターサービス


関連ページ

tokuchou.png

遠隔操作型無人潜水機(ROV)「MOGOOLシリーズ」は、稼働時間無制限かつ、高出力、豊富なオプションで作業課題を解決いたします。

スライド1.PNG

ROV「MOGOOLシリーズ」導入事例をご紹介! 水中調査、点検、検査、環境保全など、様々な分野の課題を解決してきた実績をご覧ください。


関連ソリューション

ソリューション

WEB商談も対応可能!製品情報・御見積に関するご依頼・ご質問等お気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ
0120-63-20250120-63-2025

(平日8:30~17:00)